2026年9月19日(土)の夜、まなプラコモンズ「ICTによる読み書きサポート勉強会」の2026年度第6回を開催しました。今回から「対話型読み書きアセスメント」シリーズが始まります。初回のテーマは「読みの流暢さ」。平林が開発に関わってきた読み書きの教育的評価ツール
URAWSSⅡ(ウラウス)の読み課題を題材に、読みの速さを「測る」、それをもとに子どもと「対話する」ことを通して、その子どもが経験する困難を理解する方法を扱いました。
発達相談室の心理職、フリースクールや学習サポートのスタッフ、保護者。立場の違う参加者が集まり、情報交換を行いました。
チェックインは「子どもの『読み』で気になっていること」
毎回、本題の前に参加者が近況を持ち寄るチェックインの時間があります。今回のお題は「子どもの『読み』で気になっていること」。
「読み書きが苦手だろうなと思う子でも、普段はスラスラ読んでいるように見える。でも検査で意味のない言葉を読むとなると引っかかってくる」「読めているかどうかと、内容を理解しているかどうかは別。単語だけ拾って意味を作れてしまっているだけかもしれない」。参加者自身の経験も交えて、「読めている」とは何か、という話から始まりました。
本編:測って終わりにしない
本編では、URAWSSⅡの読み課題——短い文章を一度だけ黙読し、内容理解の問題に答える——を入口に、次のようなことを扱いました。
- 読みの速さの数字を「良い・悪い」ではなく「現在地」として、本人にどう開示するか
- 「読むのが遅い」を個人の能力ではなく、「紙で読む方法には制約がある」と捉え直す視点
- 速度を測って終わりにしない。別の読み方を試し、「どちらがわかりやすかった?」と理由まで聞く「対話型」の進め方
- 本人の答えが実施者の予想と違ったとき、そこから何が見えてくるか
URAWSSの「U」は
Understanding—子どもを理解するための道具です。開発に関わってきた平林が、普段の相談で実際に子どもにどう声をかけ、本人の答えをどう次の工夫につなげているのか、具体的なエピソードを交えてお話ししました。
後半は、参加者全員で実際に読み課題を体験。自分で読むのと読んでもらうのとでは、どちらがわかりやすいか—大人の間にも違いがあることを体験しました。質疑では、自分自身が音読が苦手な場合の進め方や、ほかの検査との前提条件の違い、検査を日常的に行っている心理職の方からの視点など、実務に即したやりとりがありました。
参加者の声(チェックアウトより)
- 「『問題ないんだ』となるのも、『問題だ、頑張らなきゃ』となるのも、どちらも間違えてしまう。本人がどう感じているかがいちばんの真実、という話が印象に残った」
- 「検査結果だけでは見えないものがある。これからどう学習を組み立てていくか考えたい」
- 「子どもと対話しながら『自分を知る』『学びやすい環境を一緒に考えていく』ことを忘れてはいけない。いつも接している身近な大人だからこそ話せることがある」
- 「デジタルシーカーコースを一周した子が増えてきた。子どもたちが『楽しいね』と嬉しそうにiPadを抱えて帰っていく」
今後の予定
このシリーズは、10月「流暢さ②書き」、11月「英語①読み」、12月「英語②書き」と続きます。
まなプラコモンズとは
まなプラコモンズは、読み書きサポートに関わる支援者・教育者・保護者が月1回オンラインで集まり、現場の実践と知識を共有する場です。2024年4月から毎月継続して開催しています。参加者はフリースクール、発達相談室、放課後等デイサービス、特別支援学級、通級指導教室など、全国各地でさまざまな形で子どもたちと関わっています。
まなプラキッズプログラムの会員向けに開催しており、会員は毎回の録画アーカイブ・資料・詳しい報告(メンバー限定のNotionページ)を見ることができます。当日参加できなくても、あとから追いつけます。
参加をご希望の方はこちらのページをご覧ください。