2026年4月15日(水)、まなプラコモンズ「ICTによる読み書きサポート勉強会」の2026年度第1回を開催しました。日本各地から10名がオンラインで集まり、約90分間、アクセシビリティ機能の基礎について学びました。
新年度の最初ということで、昨年度やってきたことをいったん振り返り、「どの端末でも使える基本の機能」に立ち返る会にしました。
新年度のチェックインで見えた、現場のいま
勉強会の冒頭には、参加者がそれぞれ最近の実践や今年度の目標を共有するチェックインの時間があります。
今回、複数の参加者から出たのがAIへの関心でした。「有料版のAIをいろいろ乗り換えながら試してみたい」「子どもたちにAIをどう使わせるか悩んでいる——13歳以上という制限をどう考えるか」。昨年から急速に進化するAIへの期待と、現場での使い方をめぐる模索が、この場でもリアルに感じられました。
読み書き困難の相談支援と教室を開いている参加者は、「今年度はデジタルシーカーコースのグループワークショップを開催してみたい」と話してくれました。フリースクールのスタッフは「子どもの成長を家族にもっと説明できるようになりたい」と、それぞれの現場での新しいチャレンジを語ってくれました。
「アクセシビリティ」は、4つの領域で整理できる
今回の本編のテーマは「アクセシビリティの基礎と展開」。iPad(iOS)を中心に、読み書きサポートで押さえておくべき機能を整理しました。
読み書きが苦手な子どもへのICT支援では、ツールの数が多すぎて何から始めればいいかわからない、という声をよく聞きます。でも実は、注目すべき機能の領域は大きく4つに分けられます。
①画面表示とテキストサイズ
②音声読み上げ(TTS: Text to Speech)
③文字入力(オンスクリーンキーボード)
④OCR(光学文字認識)
iOSの最新動向——静かに、でも確実に進化している
iOSの読み上げ機能は最近も改良が続いています。
読み上げコントローラーの操作性が向上し、速度調整や一時停止がしやすくなりました。iOS 18からは読み上げ音声の音質も上がっています。
勉強会中には、「入力フィードバック機能がiOSをアップデートしたら見つからなくなった」という話題になりました。これは文字を打ったときにその文字を読み上げてくれる機能で、見た目で打ち間違いをしやすい子が聴覚的なフィードバックで気づけるようにするものです。参加者のひとりが「アクセシビリティ→キーボードと入力の中に移動していますよ」と教えてくれ、場が盛り上がりました。アップデートで機能の場所が変わることはよくありますが、大事な機能はなくなるのではなく、たいてい「移動」や「統合」です。わからなくなったらAIに聞いてみるのが一番早い、というのも今回の共有でした。
Gemini Liveで「設定の場所」を音声で教えてもらう
今回、参加者に一番響いたのが、GoogleのAI「Gemini Live」のデモでした。
スマートフォンのGemini LiveアプリをカメラモードでiPadの画面に向け、「テキストサイズを変えたいんだけど、どこから設定できる?」と声で聞くと、設定画面の場所を音声で案内してくれました。
ただし、GoogleのAIは13歳以上という制限があるため、子ども本人の端末への導入には保護者の同意と監督が必要です。教室や支援の場では、先生の端末で一緒に試す形から始めるのが現実的でしょう。
参加者の声
「ジェミニライブがすごく面白い。早速試してみたい」
「デジタルが苦手な私でも勉強になって楽しかった。」
「日本語を聞いているのに他の国の言語のようで難しかったけど、頑張ります」
今後の予定
次回勉強会では5月16日(土)19:30〜21:00・新しい企画として、現場で実践している若手支援者からの報告コーナーを設けます。
まなプラコモンズとは
まなプラコモンズは、読み書きサポートに関わる支援者・教育者が月1回オンラインで集まり、現場の実践と知識を共有する場です。2024年4月から毎月継続して開催しています。参加者はフリースクール、発達相談室、特別支援学校、通級指導教室など、全国各地でさまざまな形で子どもたちと関わっています。
まなプラキッズプログラムの会員向けに開催しており、会員は毎回の録画アーカイブも視聴できます。
参加をご希望の方はこちらのページをご覧ください。